訪問看護のオンコールはきつい？乗り越える対策も解説します！

訪問看護師として働くうえで避けて通れない「オンコール対応」。

夜間や休日も待機する必要があり、心身への負担を感じる方も多いでしょう。

本記事では、訪問看護のオンコールがなぜきついと感じられるのか、その主な理由を詳しく解説します。

さらに、オンコール業務を乗り越えるための実践的な対策もご紹介しますので、今後の働き方を考えるうえでぜひ参考にしてください。

訪問看護のオンコールとは？

訪問看護の「オンコール」とは、夜間や休日など、通常の勤務時間外に利用者や家族からの緊急連絡に対応するために待機する業務のことを指します。

オンコール中は、自宅などで待機しつつ、電話対応や必要に応じた緊急訪問を行います。

オンコールの回数や対応内容は事業所によって異なり、月に数回程度のところもあれば、週に1〜2回と頻度が高い場合もあります。

緊急対応を要するケースは、症状の悪化、急変、不安への相談対応などさまざまです。

基本的に勤務時間外であるため手当は支給されますが、その負担感やプライベートへの影響を理由に、オンコールを敬遠する看護師も少なくありません。

訪問看護師のオンコールがきつい理由とは？

訪問看護師のオンコールがきついと言われる理由は下記のようなことがあります。

1. 夜間・休日でも緊急対応が求められるため、心身の緊張が続く
2. 呼び出しがいつあるかわからず、睡眠や私生活の質が低下する
3. 電話だけで状況判断を迫られることが多く、責任の重さを感じやすい
4. 訪問先によっては夜間の移動が危険だったり、精神的な負担になることがある
5. オンコール手当が労力に見合わない場合があり、割に合わないと感じることがある
6. オンコールの次の日も仕事のことも多い

それぞれについて解説していきます。

夜間・休日でも緊急対応が求められるため、心身の緊張が続く

オンコール対応では、夜間や休日でも「何かあればすぐ動かなければならない」という状況が続きます。この常にスタンバイ状態でいることが、心身に大きな緊張感をもたらします。特に利用者の病状が不安定な場合には、「今夜も呼び出されるかもしれない」という不安が頭を離れず、リラックスできない夜を過ごすことも少なくありません。この慢性的な緊張は、体力的な疲労だけでなく、精神的なストレス蓄積にもつながりやすいです。

呼び出しがいつあるかわからず、睡眠や私生活の質が低下する

オンコール中は、いつ電話が鳴るかわからない状況に置かれます。たとえ連絡がなかった日でも、「もしかしたら…」と気にかかることで、熟睡できない夜が続きます。さらに、友人や家族との外出を控えるなど、私生活にも大きな制約が生じることが多いです。このような生活パターンの乱れや制限が、オンコールをきついと感じる大きな要因になっています。

電話だけで状況判断を迫られることが多く、責任の重さを感じやすい

オンコール対応の多くはまず電話でのやり取りから始まります。利用者や家族の説明だけで症状を把握し、対応の要否を判断しなければなりません。しかし、電話では情報が限られており、見落としや誤解のリスクもあります。そのため、「この判断で本当に大丈夫だろうか」とプレッシャーを感じる場面も多く、責任の重さにストレスを感じやすくなります。

訪問先によっては夜間の移動が危険だったり、精神的な負担になることがある

夜間に一人で訪問先へ移動する場合、防犯面での不安や道路事情による危険も無視できません。特に人通りが少ない地域や、交通の便が悪いエリアでは、夜間の運転や徒歩移動に強いストレスを感じることがあります。また、急変時の対応に迫られる現場では、一人で迅速な判断と処置を求められるため、精神的な負担がより大きくなります。

オンコール手当が労力に見合わない場合があり、割に合わないと感じることがある

オンコールには手当が支給されるものの、その金額が労力に見合わないと感じることも少なくありません。特に、何度も出動が重なった場合や、精神的な緊張を強いられる割に収入に大きな差が出ない場合、不満を感じる人は多いです。手当額は事業所によって大きく異なり、業務内容に対して適正な報酬が支払われていないと感じることが、オンコール離れの一因にもなっています。

オンコールの次の日も仕事のことも多い

オンコールで深夜に対応をした翌日でも、通常どおり日勤があるケースが多いのが現実です。睡眠不足や疲労を抱えたまま業務を続けなければならず、集中力の低下や身体的不調につながることもあります。結果的に、パフォーマンスの低下だけでなく、ミスや事故を引き起こすリスクも高まり、より大きなストレスを感じる悪循環に陥ることもあります。

訪問看護のオンコールを乗り越える方法

訪問看護のオンコールを乗り越える方法を紹介します。

今、オンコールで悩んでいる看護師やこれからオンコールのある訪問看護で働こうと思っている看護師は参考にしてください。

事前に利用者情報をしっかり把握しておく

オンコールに備えるためには、担当している利用者の病状や生活状況を普段からしっかり把握しておくことが重要です。特に、急変リスクの高い利用者については、過去の経過や主治医との対応方針を確認しておきましょう。事前に情報を整理しておくことで、電話対応時や訪問時にスムーズな判断ができ、精神的な負担を軽減することができます。

オンコール中はなるべくリラックスできる環境を整える

オンコールの日は、できるだけリラックスできる環境を作りましょう。たとえば、温かい飲み物を用意しておく、ストレッチなど軽いリラクゼーションを取り入れる、短時間でも仮眠を取る工夫をするなど、身体と心を休める時間を確保することが大切です。常に緊張状態でいると心身ともに疲弊してしまうため、「呼び出しがなければ休んでいい」という気持ちで過ごすことも必要です。

職場全体でオンコール体制を見直してもらう

あまりにもオンコールの負担が大きい場合は、職場に対して体制の見直しを提案することも一つの手段です。たとえば、オンコール対応者を複数名に分散する、曜日ごとの負担を調整する、対応件数が多い場合にはオンコール専従スタッフを設けるなどの工夫が考えられます。チーム全体で負担を共有する仕組みが整えば、一人ひとりの負担が軽減され、長く働き続けることができるようになります。

オンコールが少ない訪問看護ステーションへの転職を検討する

どうしてもオンコール対応がつらいと感じる場合は、オンコールのない、またはオンコール頻度が少ない訪問看護ステーションへの転職も選択肢になります。近年では、24時間対応を外部委託している事業所や、オンコール負担を軽減するために体制を工夫している事業所も増えています。自分に合った働き方を選ぶことで、オンコールによるストレスを大幅に減らすことが可能になります。

まとめ

訪問看護のオンコールは、夜間や休日にも対応が求められ、心身に大きな負担を感じやすい業務です。

しかし、事前準備や環境づくり、職場全体での体制整備によって、オンコールのストレスを軽減することは十分可能です。

無理をして耐え続けるのではなく、自分に合った働き方や職場を選び、長く安心して働き続けられる環境を整えることが大切です。

オンコール業務に悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考に、少しでも負担を減らす方法を模索してみてください。