訪問看護に就職する理由とは？在宅医療に携わる看護師の特徴も紹介

訪問看護は、高齢化が進む日本においてますます需要が高まっている分野の一つです。

病院やクリニックではなく、患者の自宅でケアを行う訪問看護師の役割は非常に重要であり、近年多くの看護師が訪問看護への転職を考えています。

しかし、「なぜ訪問看護を選ぶのか？」と疑問に思う方もいるでしょう。

本記事では、訪問看護に就職する理由を5つ紹介し、訪問看護師として活躍する人の特徴についても詳しく解説します。

訪問看護に就職する理由5選

訪問看護を選ぶ理由はさまざまですが、特に多くの看護師が感じているメリットを5つ紹介します。

1. 一人ひとりの患者とじっくり向き合える

病院勤務では、看護師1人が担当する患者数が多く、時間に追われることが一般的です。そのため、一人ひとりの患者とじっくり向き合うことが難しいと感じることがあります。一方、訪問看護では、1回の訪問で30分～1時間程度の時間をかけて患者と向き合うことができ、より丁寧なケアを提供できます。患者の生活背景を深く理解し、個別に適した看護を提供できることは、訪問看護の大きな魅力の一つです。

2. 患者の「生活の場」で看護を提供できる

訪問看護では、病院のベッドの上ではなく、患者の自宅という生活環境で看護を提供します。そのため、患者が普段どのような生活をしているのか、どのような支援が必要なのかを直接確認でき、より実践的なケアを行うことが可能です。また、家族と連携しながら在宅生活をサポートすることができるため、より身近で温かい看護を実現できます。

3. 自律的に働ける環境がある

訪問看護は、病院のように常に上司や同僚が近くにいる環境ではありません。そのため、訪問看護師にはある程度の自律性が求められます。自分で判断し、適切な対応を取る能力が必要になりますが、その分、自分のペースで働けるというメリットもあります。病院のような人間関係のストレスが少ない環境を求める看護師にとって、訪問看護は魅力的な選択肢となるでしょう。

4. ワークライフバランスを重視できる

訪問看護ステーションの多くは、日勤のみの勤務体制を採用しています。そのため、夜勤がない職場が多く、規則正しい生活を送りながら働くことが可能です。特に、家庭と仕事の両立を考えている人にとっては、訪問看護は理想的な職場となるでしょう。また、訪問スケジュールが決まっているため、突発的な残業が少ないこともメリットです。

5. 在宅医療の専門スキルを身につけられる

訪問看護では、医療処置に加えて、リハビリテーションや家族支援、介護指導など、幅広いスキルが求められます。在宅医療に関する専門的な知識を身につけることで、将来的に介護分野や地域医療のスペシャリストとして活躍する道も開けます。訪問看護の経験は、看護師としてのキャリアアップにもつながる貴重なものとなるでしょう。

在宅医療に携わる看護師の特徴

訪問看護師として活躍する人には、いくつかの共通した特徴があります。

在宅医療の現場で求められる資質について詳しく見ていきましょう。

1. 柔軟な対応力がある

訪問看護の現場では、毎回異なる患者の自宅を訪問し、それぞれの環境に適応しながら看護を行う必要があります。そのため、柔軟な対応力が求められます。予定外の対応が必要になることもあるため、臨機応変に対応できる能力を持つ人は訪問看護師に向いています。

2. 自主的に判断できる

病院とは異なり、訪問看護では医師や他の看護師と常に一緒に働くわけではありません。そのため、患者の状態を的確に判断し、必要に応じて医師に報告・相談する能力が必要です。特に、急変時には迅速な判断が求められるため、経験を積みながら判断力を養うことが大切です。

3. 患者や家族との信頼関係を築ける

訪問看護では、患者や家族と長期的に関わることが多いため、信頼関係を築くことが重要です。病院では短期間の関わりが中心ですが、訪問看護では患者の生活を支えるパートナーとして長期間ケアを行います。そのため、コミュニケーション能力が高く、相手の気持ちに寄り添うことができる人が適しています。

4. 地域医療への関心が高い

訪問看護は、地域医療の一環として提供されるため、地域の医療や介護に関心がある人に向いています。病院勤務とは異なり、地域の医療機関や福祉サービスと連携しながら患者を支えていくため、地域社会の一員としての視点を持つことが重要です。特に、在宅医療の充実に貢献したいと考える人には、訪問看護は大きなやりがいを感じられる職場となるでしょう。

まとめ

訪問看護に就職する理由は、人それぞれですが、「患者とじっくり向き合いたい」「ワークライフバランスを重視したい」「専門スキルを身につけたい」などの理由で選ばれることが多いです。また、訪問看護師には、柔軟な対応力や自主的な判断力、コミュニケーション能力が求められます。

訪問看護は、患者の生活を支える重要な仕事であり、地域医療に貢献するやりがいのある職場です。これから訪問看護の道を考えている方は、自分の適性を見極めながら、訪問看護の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。