訪問看護で働く看護師の退職理由の本音6選！働きやすい職場の特徴を紹介

訪問看護は、利用者に寄り添った看護ができるやりがいのある仕事ですが、実際には短期間で退職してしまう看護師も少なくありません。

表面的には「家庭の都合」「他の分野に興味がある」といった理由が挙げられがちですが、その裏にはもっと切実でリアルな本音があります。

本記事では、訪問看護の現場で看護師が実際に感じている退職理由の本音を6つ紹介します。

また、辞めたくならない働きやすい訪問看護ステーションの特徴や、自分に合った職場の見つけ方も解説していきます。

訪問看護で働く看護師の退職理由の本音6選

訪問看護の業界では、比較的早期に離職する看護師も少なくなく、「思っていたのと違った」と感じてしまうケースも多く見られます。

ここでは、実際に現場で働いた看護師たちが抱いた“本音の退職理由”を6つに分けてご紹介します。

一人での訪問が不安でプレッシャーが大きい

訪問看護は基本的に看護師が1人で利用者宅へ向かうスタイルです。病院のように同僚や医師がすぐそばにいる環境とは異なり、自分の判断で対処しなければならない場面が多くあります。特に緊急時や対応に迷う場面では、大きなプレッシャーを感じる看護師も多く、常に「自分だけで大丈夫だろうか」という不安を抱えながら働くことで精神的に疲弊してしまうのです。

オンコール対応が精神的に負担

訪問看護ステーションの多くでは、看護師が交代でオンコール対応を担います。これは、夜間や休日に電話対応や緊急訪問の呼び出しに応じるもので、プライベートの時間にも常に“呼び出されるかもしれない”という緊張感があります。実際の対応がなくても精神的には休まらず、慢性的な疲労感につながってしまうのが現状です。

人間関係や教育体制が整っていない

訪問看護の職場は少人数で構成されることが多いため、人間関係が密になりやすく、合わないと感じると働きづらさが強く出やすい傾向にあります。また、新人看護師への教育体制が十分に整っていない事業所もあり、「いきなり一人で訪問を任された」「質問しづらい雰囲気だった」といった理由で退職を決意するケースも少なくありません。

書類業務の多さに疲弊する

訪問看護では、看護記録、報告書、計画書など、多くの書類業務が求められます。利用者ごとにケア内容を詳細に記録する必要があり、その業務量は想像以上に多いと感じる人もいます。訪問後に自宅で記録を書いたり、時間外での書類作成が発生することもあり、看護業務以外の負担が大きいと感じる看護師も少なくありません。

給与や待遇が業務に見合っていない

訪問看護は「高収入」とイメージされることもありますが、実際は訪問件数やオンコール手当によって大きく変動し、安定しないこともあります。また、移動時間の拘束や訪問中のストレスを考えると、「給与と釣り合っていない」と感じる人もいるようです。結果的に他の職場への転職を検討する理由の一つとなります。

医療処置の幅が狭く、スキルの維持に不安を感じる

訪問看護では、処置の内容がある程度限られており、急性期病院などで経験できるような技術を使う場面が少ない傾向にあります。そのため、「このままだと技術が衰えてしまうのでは」と不安に感じる看護師もいます。将来的に病院勤務へ戻ることを視野に入れている人ほど、スキル維持の観点から退職を選ぶこともあります。

働きやすい訪問看護ステーションの特徴

訪問看護の離職率は事業所によって大きく差があります。

離職率が低く、スタッフが長く働いているステーションには、共通する“働きやすさ”の特徴があります。

ここでは、そんな理想的な訪問看護ステーションを見極めるポイントを紹介します。

しっかりした教育体制が整っている

新人看護師が安心して業務を始められるように、研修や同行訪問などの教育制度が整っている事業所は、定着率が高くなります。「一人で不安なまま現場に出された」といった状況を避けられるため、安心して成長できる環境が整っています。教育担当者が明確で、定期的なフィードバックがあるステーションは特におすすめです。

スタッフ同士の連携や雰囲気が良い

訪問看護は個別訪問が基本ですが、スタッフ間での情報共有やコミュニケーションが非常に重要です。日々の報告や相談がしやすい雰囲気であること、ミーティングなどで情報の擦り合わせが定期的に行われていることは、働きやすさに直結します。事務所内の雰囲気が良く、風通しの良さが感じられる職場は安心して働ける傾向にあります。

オンコールの負担が分散されている

オンコール体制がしっかり整っており、担当の頻度が過度でない、あるいはオンコールなしの勤務も選べるような柔軟な働き方ができるステーションは、長く働き続けやすい環境です。交代制や希望制を導入している事業所もあり、働く人のライフスタイルに合わせた対応ができる点も魅力の一つです。

ITシステムが導入されており業務効率が良い

書類業務や記録業務の負担を軽減するために、電子カルテやクラウドシステムを導入しているステーションも増えています。スマホやタブレットで記録ができるようになっていれば、事務所に戻る時間も短縮され、無駄な残業が発生しにくくなります。IT化に前向きな事業所は、業務改善に積極的な姿勢が見られることが多く、スタッフ満足度も高くなります。

給与体系が明確で手当がしっかりしている

働きやすい職場は、給与体系がわかりやすく、残業代やオンコール手当などの支給も明確です。「働いた分だけしっかり評価してもらえる」と実感できることで、やりがいや納得感につながります。また、賞与や昇給制度がしっかりしていると、長く働きたいと思える要因にもなります。

自分に合った訪問看護ステーションを見つけよう

訪問看護の仕事は、自分に合った環境であれば非常にやりがいがあり、働きやすい職場になる可能性を秘めています。

しかし、事業所によって方針や体制、雰囲気は大きく異なります。

自分のライフスタイルや希望とマッチする職場を選ぶためには、事前の情報収集が不可欠です。

見学や面接の際には、「教育体制」「オンコールの実態」「スタッフの雰囲気」などを具体的に確認し、自分にとって無理のない環境かを見極めましょう。

また、看護師専門の転職エージェントを活用することで、内部事情を把握したうえでの就職活動が可能になります。

無理なく働ける職場を選び、長く安心して続けられる訪問看護のキャリアを築いていきましょう。