訪問看護は若い看護師でも働ける？若い人のメリットと大変さを解説

訪問看護と聞くと「ベテラン看護師が働く現場」というイメージを持たれることも多いですが、実は若い看護師でも十分に活躍できるフィールドです。

病院とは異なる環境での仕事に戸惑いを感じることもあるかもしれませんが、若手だからこその強みを活かせる機会も豊富にあります。

本記事では、若い看護師が訪問看護で働くことのメリットや大変さ、また若い人におすすめのステーションの特徴について詳しく解説します。

若い看護師でも訪問看護で働くことは可能！活躍できます！

訪問看護というと、「ある程度の臨床経験を積んでからでないと難しいのでは？」と思われがちですが、実際には20代の若い看護師でも訪問看護の現場で活躍している人は多くいます。もちろん急性期病棟などと比べて、1人で訪問して判断・対応する機会が多いため、最初は不安を感じるかもしれません。しかし、しっかりとした教育体制が整っているステーションであれば、若手でも段階を踏んでスキルを身につけられる環境が整っています。

また、訪問看護では医師や他職種との連携、家族とのコミュニケーションなど「対人スキル」も重要視されるため、柔軟な対応力やコミュニケーション力のある若い世代にはむしろ向いていると言えるでしょう。年齢や経験年数にとらわれず、自分らしく看護を実践できるのが訪問看護の魅力でもあります。

若い看護師が訪問看護で働くメリット

若手ならではの視点や行動力を活かせるのが訪問看護の仕事です。

ここでは、若い看護師が訪問看護に携わるうえで得られる主なメリットを紹介します。

成長スピードが速くなる

訪問看護では一人で判断し行動する力が求められるため、自主的な思考や応用力が自然と身につきます。そのため、病棟勤務よりも成長のスピードが早いと感じる若手看護師も多くいます。また、1対1でじっくり患者と向き合うことで、アセスメント力や看護技術の正確性も向上しやすくなります。若いうちから多様なケースに触れることで、幅広い看護の知識と実践力を身につけることができる点も大きな魅力です。

ライフスタイルに合わせやすい働き方ができる

訪問看護はシフト勤務がない事業所も多く、夜勤がない分、生活リズムを整えやすいのも若い看護師にとっては魅力的です。結婚や出産などのライフイベントにあわせて働き方を見直しやすく、ワークライフバランスを大切にしたい人には特におすすめです。また、直行直帰制度や時短勤務制度を採用している事業所も増えており、自分の生活に合わせて柔軟に働くことが可能です。

医療・介護の両方を学べる

訪問看護では、医療的処置だけでなく、生活援助や介護的な視点も必要とされます。若いうちから在宅医療の現場で働くことで、「病院では経験できないこと」が多く学べ、より包括的なケアが実践できるようになります。これは将来的にケアマネや看護管理者などへキャリアを広げていくうえでも大きな強みとなるでしょう。

患者とじっくり向き合える看護ができる

病棟では時間に追われ、なかなか一人の患者とじっくり関わる時間が持てないという声も多いですが、訪問看護では1件あたり30分〜60分の枠が設けられており、その時間を看護師が自由に設計できます。若い段階で「寄り添う看護」「生活に根ざした看護」を実感できることは、自信にもつながり、看護観を深める機会になります。

若い看護師が訪問看護で働く大変さ

一方で、若手看護師が訪問看護で直面しやすい困難もあります。

ここでは5つの主な大変さを解説します。

一人で訪問するプレッシャーが大きい

訪問先では基本的に看護師が単独で行動するため、判断力と責任感が求められます。特に医師や先輩がすぐそばにいないことに不安を感じやすく、急変時の対応や家族からの質問に対してどう返答すればよいか迷う場面もあるでしょう。若手のうちは経験値が少ない分、判断に自信が持てずプレッシャーを感じることが多くなります。

利用者や家族との距離感が難しい

訪問看護では医療者としてだけでなく、人としての信頼関係が求められます。年上の利用者やそのご家族に対して、年齢差からか舐められてしまう・指示を聞いてもらえないというケースもあります。こうした場面でどう信頼を得ていくかが、若手ならではの難しさとして挙げられます。

教育体制が整っていないステーションもある

全ての訪問看護ステーションが教育体制を充実させているとは限りません。中には「早く現場に出てほしい」という理由で、十分な研修期間を設けず一人訪問を任せる事業所もあります。そうした環境では、業務に不安を抱えたまま働くことになり、結果的に早期離職につながることもあります。

書類業務が想像以上に多い

訪問看護では、記録・計画書・報告書など多くの書類作成が必要です。若手のうちは慣れていない業務が多く、記録にも時間がかかってしまうことがあります。利用者ごとに個別性のある記録を求められるため、1日の訪問業務に加え、事務作業が負担に感じられることも少なくありません。

医療処置の経験が偏る不安

訪問看護では、基本的なバイタルチェックや清潔ケア、点滴管理などが中心となるため、病院での急性期処置などに比べて医療技術の幅が狭いと感じる若手もいます。「もっと多くの手技を学びたい」「将来に向けてスキルアップしたい」と考える人には物足りなさを感じることがあるかもしれません。

若い人におすすめの訪問看護ステーションの特徴

若い看護師が安心して働き、成長できる訪問看護ステーションには共通の特徴があります。

ここでは、転職時にチェックしておきたいポイントを紹介します。

教育制度が整っていてサポート体制が万全

若手看護師が訪問看護で成長するには、OJTや同行訪問などの教育体制が整っていることが重要です。入職後は段階的に業務に慣れさせてくれる事業所を選ぶことで、安心してスキルを習得できます。新人研修プログラムの有無や、フォローアップ面談などがあるかも事前に確認しましょう。

チーム内の雰囲気が良く相談しやすい

少人数での勤務が多い訪問看護では、チームの雰囲気が大切です。年齢層が幅広く、年齢に関係なく意見を言い合える風通しの良い職場は、若い看護師にとっても安心して働ける環境です。見学の際にスタッフの雰囲気やミーティングの様子などもチェックすると良いでしょう。

キャリアアップの支援がある

若手であっても、訪問看護認定看護師や、在宅療養指導士など、スキルアップを支援してくれる事業所はおすすめです。研修費の補助や外部セミナーへの参加促進などがあると、将来的なキャリアの選択肢も広がります。長く働きながら自分を成長させたい人にとっては重要なポイントです。

まとめ

若い看護師でも訪問看護で働くことは十分に可能であり、むしろ若手ならではの強みを活かして活躍できる場面も多く存在します。

確かに一人での訪問や、家族との信頼関係の構築など、大変な面もありますが、成長できるチャンスも多く、長い看護師人生の中で大きな経験となるはずです。

働く環境によって印象は大きく変わるため、自分に合ったステーションを見極めることが重要です。

教育体制やチームの雰囲気、将来的なキャリアパスまでを見据えて、ぜひ訪問看護という選択肢を前向きに検討してみてください。