訪問看護のオンコールはストレスになる？対処法も合わせて解説

訪問看護では、夜間や休日に患者さんの緊急対応を行う「オンコール」があります。

急な呼び出しや電話対応の緊張感、生活リズムの乱れなどから、「オンコールがストレスでつらい…」「オンコールがあるから訪問看護に踏み出せない」という看護師も少なくありません。

しかし、工夫次第でストレスを軽減し、安心してオンコールに向き合うことは可能です。

本記事では、訪問看護のオンコールの実態、ストレスの具体例、ストレスを減らす対処法まで詳しく解説します。

転職を検討している方や、今まさにオンコールに不安を抱えている方の参考になる内容です。

訪問看護の夜間や休日のオンコール対応とは？

訪問看護におけるオンコールとは、夜間・休日に患者さんやご家族からの急変、トラブル、相談などに電話で対応し、必要に応じて臨時訪問を行う体制のことです。

24時間対応加算を算定しているステーションでは基本的にオンコールが必要となり、担当者は携帯電話を持って待機します。

電話が鳴らない日もありますが、いつ連絡が来るかわからない緊張感があり、心身の負担につながることもあります。

一方で、在宅生活を支える重要な役割であり、患者さんの安心につながる大切な業務です。

オンコールの頻度や体制は事業所ごとに大きく異なり、出勤手当や呼び出し手当など給与形態もさまざまです。

転職時にはオンコール体制を必ず確認しておきましょう。

訪問看護のオンコールのストレスの種類や具体例

常に緊張感が続き、気が休まらない

オンコール中は「いつ電話が鳴るかわからない」という不安が常に付きまといます。食事中・入浴中・就寝中でも気が抜けず、スマホの音や振動に敏感になりがちです。結果として、十分に休息できず心身の疲労がたまる原因になります。

急変対応への不安・責任感の重さ

患者さんの状態変化は予測が難しく、「急変対応で間違えたらどうしよう」「医師に連絡するタイミングは適切か」など、責任の重さがプレッシャーになります。特に経験の浅い看護師や在宅医療経験が少ない看護師は負担を感じやすいです。

私生活の制限・自由時間の減少

オンコール中は飲酒や遠出が難しく、旅行や予定が立てづらいなど私生活に制限が出やすくなります。「せっかくの休日なのに気が休まらない」「休みなのに家に縛られている」と感じるケースは多いです。

家族との時間や睡眠リズムの乱れ

夜間に電話が鳴ることで家族も睡眠を妨げられたり、看護師本人も睡眠不足に陥りやすくなります。翌日の仕事に疲れが残り、生活リズムが乱れることもオンコールストレスの大きな要因です。

相談内容によっては対応が難しいことがある

「薬がない」「便が出ない」「不安で眠れない」など、緊急性にばらつきのある相談が来る場合もあります。「これは訪問が必要？電話対応でいい？」と判断に迷うケースもあり、ストレスが蓄積します。

訪問看護のオンコールのストレスの対処方法

事前の情報共有・緊急時の判断フローを整理する

オンコール開始前に、医師指示書や利用者情報、緊急時の対応ルールを確認し、不安な点は事前に相談しておきましょう。事業所によっては対応フローや判断基準表を整備しているところもあります。マニュアルがあると不安が軽減します。

チームで相談できる環境を整える

オンコール時にひとりで判断しないよう、バックアップ体制があるステーションを選ぶことも重要です。オンコール担当者とは別に相談先がある環境なら安心感が違います。「困ったらすぐ相談できる」体制はストレス軽減につながります。

生活習慣を調整し、オンコール前に休息を確保する

オンコール前の日はできるだけ予定を減らし、睡眠をしっかりとるなど体調管理を意識しましょう。ゆっくり入浴する、ストレッチをする、カフェインを控えるなど、心と体を整える習慣が役立ちます。

無理のない事業所選び・オンコール回数の交渉

オンコールの回数は事業所により大きく違います。「月2回〜4回が基本」「週1回ペース」「オンコールなしの訪問看護」など様々です。無理なく働ける環境を選ぶ、回数を相談する、試用期間中に検討するなど柔軟に対応しましょう。

必要に応じて転職や働き方変更も検討する

どれだけ工夫してもオンコールが辛い場合は、オンコールなしの訪問看護や、日勤のみの職場を選ぶ選択肢もあります。訪問看護は多様な働き方が可能なので、自分のライフスタイルや希望に合う環境を探すことが大切です。

まとめ

訪問看護のオンコールは、責任の重さや緊張感、生活への影響などからストレスを感じる看護師が多い業務です。

しかし、事前準備やチームのサポート体制、無理のない勤務環境を整えることでストレスを大幅に軽減できます。

また、オンコールがない訪問看護ステーションや、オンコール専任スタッフを配置している職場も増えています。

「つらいのに我慢する」のではなく、自分に合った働き方を選びながら、安心して在宅医療に携われる環境づくりをしていきましょう。

訪問看護は、患者さんの生活を支えるやりがいの大きい仕事です。

自分らしいペースで、長く続けられる環境で働くことが大切です。