大卒と専門卒の看護師の違いとは？それぞれの特徴を解説！

看護師を目指す上で「大卒」と「専門卒」のどちらの道を選ぶかは、その後のキャリアや働き方にも影響を与える大切な選択です。

また、転職やキャリアアップを考える際にも、学歴による違いや特徴を正しく理解することは重要です。

本記事では、大卒看護師と専門卒看護師の主な違い、それぞれの特徴やメリットを詳しく解説します。

これから看護師を目指す方、転職を考えている方はぜひ参考にしてください。

大卒と専門卒の看護師の主な違いとは？

大卒看護師と専門卒看護師は、いずれも国家資格である看護師免許を持ち、現場で看護業務を行うという点では同じです。

しかし、養成課程や学ぶ内容、キャリアの広がり方、給与や待遇面で違いがあります。

一般的に大卒看護師は4年制大学で看護学士号を取得し、看護以外の教養科目も幅広く学ぶ機会が多いです。

一方、専門卒看護師は3年制の専門学校や短大で看護に特化したカリキュラムを学び、現場で必要な実践力を効率的に身につけることができます。

以下でさらに詳しく見ていきましょう。

学習内容とカリキュラムの違い

大卒看護師は看護の専門知識に加え、研究や論文作成、リーダーシップ、教育学、倫理学など幅広い知識を学びます。大学ではゼミや演習を通じて探究心や思考力を養う機会が多いです。専門卒は看護実践に直結する技術や知識が中心で、現場で即戦力となることを目的としています。どちらも国家試験の受験資格を得ることができますが、学ぶ内容やアプローチに違いが見られます。

卒業後のキャリアの広がり方の違い

大卒看護師は学士の資格があるため、将来的に大学院進学や研究職、教育職への道が開けやすいという特徴があります。また、管理職候補や公務員看護師などの採用で大卒が有利になる場面もあります。専門卒看護師は、臨床現場での即戦力として評価され、早期に実務経験を積めることから、現場感覚を大切にしたキャリアを築きやすいです。キャリア形成のスタート地点に違いが出ることが多いです。

初任給や待遇の違い

病院によって異なりますが、大卒看護師は学歴手当がつくケースが多く、初任給が専門卒看護師より数千円〜1万円程度高いことが一般的です。しかし、経験年数を重ねると学歴による給与差は次第に小さくなり、能力や実績が重視されるようになります。福利厚生や職場環境については学歴による違いはほとんどなく、職場選びが重要になります。

大卒看護師の特徴やメリット

大卒看護師には、専門卒看護師とは異なるメリットや特徴があります。

4年間という学習期間を経て得られる知識やスキルは、看護師としての幅広い活躍の土台となります。

ここでは大卒看護師の特徴を具体的に見ていきましょう。

看護以外の分野の知識も身につけられる

大学の看護学部では、看護学だけでなく心理学、社会学、統計学、法学、倫理学など多様な分野の知識を学ぶ機会があります。こうした幅広い知識は、患者さんへの多角的なアプローチや、チーム医療の中での調整役として役立ちます。また、卒業研究や論文作成を通じて論理的思考力や問題解決力も養われます。

大学院進学や研究職の道が開ける

学士号を持っていることで、大学院への進学がスムーズにでき、将来的に看護研究者、教育者、管理職などへのキャリアパスが広がります。管理職や行政職では大卒以上を条件とするケースもあるため、長期的なキャリア形成において有利です。学び続ける姿勢が求められる看護の世界で、学歴が強みになることは多いです。

公務員看護師や国立病院などで採用が有利になることがある

国立病院機構や自治体の公務員看護師採用試験では、学歴が評価されることがあります。大卒看護師は初期の選考で有利になる場合や、昇進試験で学歴要件があるケースも見られます。安定志向の方や、公的機関で長く働きたい方にとって大卒資格は強みとなるでしょう。

給与の初期水準が高めに設定されることが多い

大卒看護師は学歴手当や資格手当がつき、初任給が高めに設定されることが多いです。特に公的病院や大規模病院ではその傾向が強く、スタート時点で年収が数万円単位で高くなることがあります。ただし、前述の通り経験年数と実績によって最終的な給与には個人差が出ます。

専門卒看護師の特徴やメリット

専門卒看護師も、実践力や現場適応力を高められるという強みを持っています。

3年間の専門課程で効率的に学び、現場に出るスピード感を重視する方に向いています。

それでは具体的な特徴やメリットを見ていきましょう。

現場での即戦力になりやすい

専門学校や短大のカリキュラムは、実技や臨床実習の比重が高く、現場で必要とされるスキルを重点的に学ぶ構成になっています。そのため、卒業後すぐに現場に適応しやすく、病棟や施設で即戦力として活躍しやすいです。実践を通じて早期に自信をつけたい方にとって大きなメリットです。

学費や学習期間の負担が比較的少ない

専門卒は3年で卒業できるため、学費総額や生活費の負担が少なく済みます。看護師として早く収入を得たい、経済的な負担を軽くしたいという方にとって魅力的な選択肢です。また、1年早く現場に出ることで、同年代の大卒看護師よりも早く経験値を積むことができます。

実務経験を重ねてから学び直す選択肢もある

専門卒看護師の中には、現場での経験を積んだ後に大学に編入したり、通信制大学で学士号を取得したりする人もいます。まずは現場に出て経験を積み、必要に応じて学び直すことで、自分に合ったキャリアを柔軟にデザインすることができます。学び直しがしやすい社会環境が整っているのも現代の特徴です。

チーム医療や現場業務での実務能力が高く評価されやすい

専門卒看護師は現場経験を重ねる中で、患者対応力やチーム内での実務能力を高く評価されるケースが多いです。看護師としての実務能力や柔軟な対応力は、学歴以上に現場で求められる要素です。専門卒だからこそ身につく現場感覚は大きな武器になります。

まとめ

大卒看護師と専門卒看護師は、それぞれに強みと特徴があり、どちらが優れているというわけではありません。

重要なのは、自分の価値観やキャリアビジョンに合った道を選び、それを実現するために学び続ける姿勢です。

転職やキャリアアップを考える際も、学歴だけでなく自分が何を重視したいのか、どんな働き方をしたいのかを軸に選択をしましょう。

それぞれの学歴の特徴を理解し、自信を持ってキャリアを歩んでください。